相続の遺言執行者とは、遺言の内容の実現のために必要な事務を行う権限を有する者のことをいいます。遺言執行者は相続人の代表として被相続人の死後の遺産分割における財産目録の作成や預貯金の管理、不動産の相続登記の手続きなど遺言の執行に必要な全ての行為を行う権限を有します。相続排除を行う場合は、遺言執行者を必ず選任しなければなりません。

遺言執行者

 遺言執行者になれる者は、成人した者であれば基本的には誰でもなることができますが、場合によっては弁護士や、司法書士などを選任することも可能です。また、信託銀行が執行者になることもできます。但し、未成年、破産者は執行者になることはできません

 遺言執行者として選任されたものは、相続開始後に相続に関する手続きを単独で行う権限を有します。従って、他の相続人が勝手に相続財産を処分したり手続きの妨害をするときには、それを阻止することができます。また、遺言執行者を選任することで、作成する書類の収集や署名押印手続きなどを執行者が相続人の代表として手続きを進められるので時間短縮につながります。

破産すると遺言執行者になれない

遺言執行者になったものは

  • 相続人、受遺者へ遺言執行者に就任した旨の通知
  • 財産目録の作成
  • 相続人を廃除する場合、家庭裁判所に排除の申し立てをする
  • 不動産があるときには相続登記の手続き
  • 遺言に従って受遺者へ財産を引き渡す
  • 相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為
  • などを行います。これらの作業はとても複雑かつ、時間もかかりますので弁護士や司法書士などに依頼するのも一つの手です。

     弁護士や司法書士に依頼する場合には報酬の支払いが必要になります。この金額は事務所によって様々ですが、相続の開始後に遺言執行の依頼をした時点で発生する「着手金」と相続が終了した時点で支払う「報酬金」の2段階方式が多いようです。弁護士報酬は20万円から100万円で相続財産の1~3%、司法書士の報酬は30万円前後、相続財産の1~3%が平均です。